円覚寺 塔頭 雲頂菴

菴主の話

雲頂菴という寺を守る住職として、日々考えていることをお話していきます。

振空拳 求実効(くうけんをふって じっこうをもとむ)

今日は掛け軸についてのお話です。
これから月に2回くらい、軸についての話をしていきたいと考えています。

10月5日は達磨忌でした。
そこで「今月の軸」初回は、達磨様の軸を取り上げます。

≪ 達磨画讃 ≫
釈宗演
/筆

jiku_20141016

「空拳を振って実効を求む」

 
画中に添えて書かれる詩・句・文のことを讃(さん)といいます。
この軸では、達磨様について、あるいは達磨様が言っていることについての評論となっています。
 
10月6日の「達磨大師と武帝」でお話しましたが――
「仏教の一番大事なところはいったい何なのだ、ひと言で言ってみよ」
と問う梁(りょう:中国南北朝時代の王朝)の武帝に対し、達磨様は「からっと晴れ上がった大空のようなものだよ」と答えます。

肝心なことには触れず、わかったようなわからないようなことを言っています。
つまり、空拳を振って…まるで空手形のような言葉を返しています。けれどもそこに、実際の教えの有り様を示していらっしゃるのです。
 

禅語は解釈がちょっと難しいですが、少しずつ私なりの言葉で、いろいろお話していきたいと思います。
 

釈宗演(1860年~1919年): 明治、大正期の臨済宗の僧。円覚寺、建長寺の管長を兼任。禅学の鈴木大拙博士も弟子の一人で、「禅」を「ZEN」として共に海外布教の基を築いた。
 

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