円覚寺 塔頭 雲頂菴

菴主の話

雲頂菴という寺を守る住職として、日々考えていることをお話していきます。

山の手入れ

緑をいい形で守るためには、間伐も必要です。
短絡的に「木を伐るな」と言うことが緑地を保全することにはなりません。

 
広島市(2014年8月)や長野県南木曽町(同年7月)、伊豆大島(2013年10月)などで、次々と大きな土砂災害が起こりました。
当初は、避難の仕方や情報伝達の悪さなどが取り沙汰されていました。
でも日が経つにつれ、「山の手入れが滞っていたため、もともと山がもっている保水力が非常に衰えていたのではないか」という論調が少しずつ出てきたように思います。

 
山の手入れを適切に行っていても、同じような災害が起こったかもしれません。
しかし私は、被害がもっと軽くて済んだのではないかなという感想をもちました。

 
「そこに緑があるから、放置しておけばいい」

そういう考えがとても危険であることが、一連の土砂災害によって知らしめられたように思います。
このような守り方では、むしろ衰退になってしまう。

原生林でない限り、一度人間が手を入れた自然は、二次的、三次的な自然なのです。
人造林は、間伐や植林など適切な手を入れ続けていかなければなりません。

 
例えば、崖っぷちで大きくなりすぎた木は、根を枯らさないように枝を伐ってやる。
伐らずに上が重くなり過ぎてしまうと、土砂を一緒に巻き込んで崩れてくる可能性があります。

雲頂菴が建つ、この北鎌倉の地域でも、大雨が集中的に降る、あるいは地震が起きて亀裂が入ったところに雨が流れ込んで大災害に繋がるということは、当然考えられます。

 
コンクリートで何かを固めるとかそういうことだけではなく、自然といかに共生していくか。
仮に洪水が起こっても最小限に終わらせられるような対応を、人任せではなく、一人一人が真剣に考えないといけないのではないでしょうか。
 

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