円覚寺 塔頭 雲頂菴

菴主の話

雲頂菴という寺を守る住職として、日々考えていることをお話していきます。

仏様に供える食事

円覚寺の開山忌でも、雲頂菴の開山忌でも、開山様に対するお膳を作り、集まった皆でご相伴します。

 
かつて、だいたいのお寺は仏供田(ぶつぐでん)をもっていて、そこで収穫したものを使って仏様の食事を作っていました。

たぶん西洋の教会なども同じだと思います。
修道院に附属する牧場や農園でチーズや保存食を作って神様に捧げたり、それらによって得た浄財で組織を維持したりしていますよね。

 
お寺に荘園が与えられたのは、仏様に対するお膳を作るため。
それから、後ろ盾になってくれた北条氏なり、当時の有力な大名なり、そういう人たちの先祖の霊を弔うという意味がありました。

京都の真ん中で、今も境内の片隅にちゃんと畑を作って耕し、自給自足を旨とする基本的なコンセプトをしっかり守っているお寺があります。
自分のところの畑で採れたものを使って、料理をこさえて振る舞う。
本当は、このような原則を実践しなければ意味がないと思います。

 
しかしこういう時代ですから……私の寺では畑を止め、食物を土から作っていくことは、農家の方にお願いをしてしまっています。現代では完璧な自給自足なんてもうあり得ません。

とはいっても、その原点を忘れたら、お寺は成り立たない。
ですから、大事な開山忌の食事を自分の寺で作ったり、梅干しを作ったり、できることは継続しています。

 

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