円覚寺 塔頭 雲頂菴

菴主の話

雲頂菴という寺を守る住職として、日々考えていることをお話していきます。

今日の仕事

「命の大切さ」を語ると結局、「今日を生きる」「今を生きる」ということになります。
その時その時、自分のやるべきことに集中する結果が、命を大切にすることなのではないでしょうか。

例えば、自分が癌と闘うか闘わないか決心するというのも、今日の仕事かもしれません。
 

「この秋は 雨か風かは知らねども 今日のつとめに 田草取るなり」

こちらは、二宮尊徳の作として広まっている道歌(作者等に異説あり)です。

たぶん田植えの終わった時期の歌だと思います。
この秋、あるいは自分の人生のこの先に何が起こるかなんて、実はよくわかりません。
しかし、「秋頃は、もしかしたら嵐や台風で収穫が無いかもしれない」などと考えていてはお米を作れないでしょう。
だからあまり未来を憂い過ぎることなく、今日の自分の仕事 —田んぼの草取り— をする。
つまり、「今日ちゃんとやることをやりなさい」ということです。
 

ただ、あまりこだわり過ぎてはいけないけれど、過去や未来を見なければ、現在どう生きていいかもわからないという気がします。
ですから、時には過去を振り返って反省し、教訓に学んで現在をどう生きるか決めなければならない。
また、時には未来を展望し、想像して、現在できることはこれだなと思っていかなければならない。

でも、つまるところ、「お前の今日の仕事は何だ?」ということなのです。

「今日は休養」と思うなら休養すればいいし、「今日は作務」とするなら作務で草刈りなどをすればいい。
そういう生き方をしていけば、悔いる必要はないでしょう。

もっと力のある人は違う努力ができたかもしれない。けれども自分としてはまぁ精一杯やってきた。だから、満足とは言えないまでも、大きな悔いは残さない。

もし悔いがあるとするならね、今日悔い改めて、もうひと頑張りすればよいのです。
 

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