円覚寺 塔頭 雲頂菴

菴主の話

雲頂菴という寺を守る住職として、日々考えていることをお話していきます。

阿難と阿那律〈2〉

お釈迦様が入滅される時、長年にわたり隠侍(いんじ)としていつもお側に仕えていた「多聞(たもん)第一」の弟子・阿難(あなん)は、悲しみのあまり気絶して倒れてしまいました。
すでにもう喋ることができなくなってしまったお釈迦様でしたが、息はまだありました。
そこで、「天眼(てんげん)第一」の弟子・阿那律(あなりつ)の出番となります。

この人、実は盲目なのです。
お釈迦様と同じ釈迦族の出身であった阿那律は、「自分も悟りを開くのだ」という固い決意で修行していました。
しかし、ついつい居眠りをしてしまうので、ある時お釈迦様に叱責されます。
「そんなことでは悟りを開くことはおろか、皆の修行の妨げになる。そのような修行に対する姿勢ならば、とっととどこかに行きなさい」
そこで一念発起した阿那律は、「もう絶対に、横になって寝ない」と新たな誓いを立てました。
その後ずっと目をつぶらず、寝ずに修行したことが失明の原因だと言われています。
視力を失ってしまった阿那律でしたが、同時に心の眼が開き、「目では見えないものが観える」という力を授かったといいます。

お釈迦様の臨終間際、阿那律はその心を読んで皆に伝えました。
 

――引き続き明日は、お釈迦様の最期の教えについてお話します。
 

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