円覚寺 塔頭 雲頂菴

菴主の話

雲頂菴という寺を守る住職として、日々考えていることをお話していきます。

歴史的資料への視点

雲頂菴に伝わる古文書などを読んでいくと、歴史書に書かれているような出来事の裏側には、さまざまな相克があったことがわかります。

何年に楠木正成がどうしたとか、豊臣秀吉がこの時小田原を攻めたとか……教科書で習う歴史は、時代の大きな出来事を時系列に沿って拾っていくだけです。
しかし古文書を見ると、その時代、その地方の様子がどうだったか、おおむね見て取れる。
つまり、教科書では見えない歴史をうかがい知ることができます。
そういうことが楽しいから、たくさんの郷土史研究家がいるのだろうと思います。
 

『鎌倉市史』を編纂するような専門家の方々は、多数の古文書を読んで史料の研究をされており、豊富な知識で学問的にいろいろ教えてくださいます。
ではさらに、そういう分野の方だけでなく、美術史的に見たらどうなのか。
たとえば和紙の研究をしている人から見たら、
「これは、実はすごい紙に書かれている」
「これはもう、障子の裏書きのようなものだ」
などということがわかる。
ご覧になる方の立場によって、視点はまったく違ってきます。

平成10年(1998)、雲頂菴に伝えられてきた古文書を『雲頂菴古文書集』にまとめました。
そして今年からは、その内容をインターネットで公開することにしました。

毎月、雲頂菴のホームページに載せてゆくことで、多方面の方々の目に触れ、それをきっかけに
「こういう情報があります」
というようなキャッチボールが始まるといい。
そのようなやり取りができたら、きっと新しい事実が見えてくるのではないかと期待しています。
 

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