円覚寺 塔頭 雲頂菴

菴主の話

雲頂菴という寺を守る住職として、日々考えていることをお話していきます。

天性の強い意志〈2〉

今、引きこもってしまったり、暴力をふるったりする子供たちが多くなっています。
おそらく、価値観の多様化により混迷している時代の中で、どうすればいいのかわからなくなっているのでしょう。

ひたすら貝のように引きこもる、むやみに暴力をふるう、どちらにしてもエネルギーがいることです。
親と子の間で、あるいは社会とその子との関わりの中で、正常な回路が構成できていないのでしょう。
どこか押すべきところをちゃんと押せば、いい方向に反応が返ってくるはずなのに、そういう約束事のスイッチが壊れてしまっている。
そのため、それぞれの子がもって生まれてきた強いエネルギーが、間違ったエキセントリックな形で表に出てしまっているのだと思います。

本来もっているはずの社会性を取り戻すためには、どうすればよいのか。
問題を抱えた子たちが纏(まと)ってしまっている鎧を外の力によって打ち砕くという、いわゆるスパルタ方式も手段の一つかもしれません。
けれども私は、「内なる力」が働かない限り、なかなか難しいのではないかと感じています。

自分の中に秘めていた力に気づく。
達成感を味わい、喜びを感じる。
そういう体験の積み重ねが、眠っている自信を目覚めさせてゆきます。

心を開くためにはまず、自信をつけさせるのが大切ではないでしょうか。
自分の経験を振り返ってみてもね、挫折して外に出たくない、人に合わせる顔がない時はありました。
そういう時、そこを脱してきたのは……開き直りもあったかもしれないけれど、多くの場合、やはり自信を取り戻したことがきっかけとなったのです。
 

コメントはまだありません