円覚寺 塔頭 雲頂菴

菴主の話

雲頂菴という寺を守る住職として、日々考えていることをお話していきます。

子離れ・親離れ〈3〉

「甘やかす」は英語だと、spoil と訳すのでしょうか?
逆に spoil を日本語に訳すと、「だめにする、こわす、台無しにする、使えなくする、腐らせる、(興味・食欲などを)そぐ、増長させる、(人を)殺す、(人から)略奪する……」などといった意味になります。

「甘やかす」というのはつまり、「だめにしてしまう」ということなのです。
もちろん、厳しくすればいいわけでもありません。

やはり昔の人は偉いなって思います。
「三つ子の魂百まで」と言いますが、幼稚園に上がるまでが勝負です。
子育ての大きな勝負は、そこで一つ決まってしまう。
そこのところで、親がどういうふうに関わるかが大事です。
小さい頃から、「何を、どういうふうに考え、受け止めてゆくか」という訓練をさせておく。

小学校に入ったら、読み書き算盤がスタートします。
小学生になって「社会性を学びなさい」というのでは、遅いのです。
幼稚園くらいの段階で、ある程度の社会性を培(つちか)っておく必要があります。

実際、お腹から出た瞬間に、子供は親離れする。
自立を始めるわけです。
その後、どの程度の距離をおくかは、その子供と親の関係でもあるし、子供の成長具合によっても違います。

「私の子供」という感覚でベタベタしている親が、ずいぶん多くなっています。
私自身は、「私の子供」とも、「授かった」とも思っていません。
敢(あ)えて言えば、「仏様から預かった子供」という感じでしょうか。
だからいつか、お返しするのです……この命は。
親としての自分の立場について、私はこのように考えています。
 

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