円覚寺 塔頭 雲頂菴

菴主の話

雲頂菴という寺を守る住職として、日々考えていることをお話していきます。

すべては「空(くう)」〈1〉

お経は、父の膝の上で憶えました。
ですから、経本や経典から憶えたのは、ほんのわずかです。

私が子供の頃は、私よりもお経を知っているお爺さんやお婆さんがいっぱいいました。
お経がもっと、身近だったのですね。
「何? 坊はまだ、このお経、憶えとらんのか〜」
なんて、よくお年寄りに叱咤激励されました。

その時代、和尚さんが読んでいるお経はけっして、BGM(バックグラウンドミュージック)ではありませんでした。
でもこの頃は、お通夜をしないっていう人もいるようだし、お坊さんが参列者に背を向けて読んでいるお経はもう、皆さんにとってBGMのようなものなのかもしれません。

これはね、ゆゆしき問題です。
私たちは、真剣にお経を読んでいるわけです。
どういうお経を読んでいるか…っていうことをちゃんと話し、お伝えしなくてはいけない。
それで、ある時から私は、お通夜に集まってくださった皆さんにお経の話をすることにしました。
 

——引き続き明日も、この話をします。
 

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