円覚寺 塔頭 雲頂菴

菴主の話

雲頂菴という寺を守る住職として、日々考えていることをお話していきます。

すべては「空(くう)」〈2〉

私たちが普段読むお経は、数えるほどしかありません。
でも経典は、人が一生かけても読めないぐらいたくさんある。

一般的によく知られている『法華経』、このお経は28章(品)あります。
そのうちよく読むのは、「普門品(ふもんぼん)」や「譬喩品(ひゆほん)」など数章です。

禅宗と言われている私たちの宗門は大般若経典(だいはんにゃきょうてん)が主なのですが、このお経は600巻あります。
相当難しいです。
お経は漢字が並んでいますけれど、発音は漢音ではありません。
唐音か呉音で発音するため、漢字の発音とは違います。
だからよけい、わけがわからない。

正直に言うと……「30分から40分かけて読むお経に、何が書いてあるの?」って言われても、全部はわかりません。
しかし、大事なところはわかっています。
大事な部分をところどころピックアップし、公案(こうあん)で「これはどういう意味か?」と、非常に丹念に詮索します。

そういう大事な部分だけを集め、それを煎じ詰めたものが『般若心経』です。
 

——引き続き明日も、この話をします。
 

※ 公案:禅宗、特に臨済宗で、修行者が悟りを得るために課題として与えられる問題。
 

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