円覚寺 塔頭 雲頂菴

菴主の話

雲頂菴という寺を守る住職として、日々考えていることをお話していきます。

すべては「空(くう)」〈3〉

お経には、何が書いてあるのか?
実は、たくさんの長いお経も、煎じ詰めれば、すべては「空」ということを言っています。

これが難しい。

「空」という字はね、日本語だとあまりいい意味がない。
「空々(そらぞら)しい」とか、「空っぽ」とか、「空念仏(からねんぶつ)」とか……
空念仏という言葉、わかりますか?
心ここにあらず、口先だけで唱えるお経を空念仏と言います。

ところが、「色即是空(しきそくぜくう) 空即是色(くうそくぜしき)」のように、経典の中に出てくる「空」というのは、まったく意味が違うのです。

適切かどうかわからないけれど、「水」を例にとってお話ししてみます。
すべては「空」だから、水も「空」です。
化学は苦手ですが——私が知る限りでは、水(H2O)は、水素2つと酸素1つ、単純な物体です。
この「水」って、不思議ですよね。
常温だと液体、加熱すると気体、冷やすと固体になります。
条件が変わる…つまり、加熱したり冷やしたりすると形が変わるのだけれど、元々もっていた性質は変わらない。

「空」というものは、そういうふうにイメージしていただくといいと思います。
 

——引き続き明日も、この話をします。
 

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