円覚寺 塔頭 雲頂菴

菴主の話

雲頂菴という寺を守る住職として、日々考えていることをお話していきます。

お盆の時期〈2〉

私たちの地域では、8月13日の夕刻に迎え火を焚いて祖先の魂をお迎えし、16日夕刻の送り火によって送り出します。
私は、薄暗くなってくる黄昏時(たそがれどき)…まだ手が見えるぐらいの明るさに焚くのだと教わりました。
禅宗のお寺が多い地域、浄土真宗の多い地域、真言や天台のような密教系の宗派が多い地域など、たぶんそれぞれの土地で、お盆の儀式の行ない方や慣習は違ってくるだろうと思います。

寺請(てらうけ)制度によって日本中の家がどこかのお寺に所属していた江戸時代は、お坊さんが馬や輿、あるいは駕籠に乗ってお檀家の家々をまわり、「お盆経」などと言っていました。
この時、縁側に棚を造って祖先を祀ったことから、「棚経(たなぎょう)」とも言ったそうです。

私たちも、お檀家さんのお宅に1軒1軒うかがってお経を上げます。
今は副住職がいるので、13、14、15日の3日間で終わらせられるようになりました。
しかし私ひとりの時は、10日から15日まで正味6日ぐらいかけて目一杯まわっていました。

最近、人によっては、日付にこだわらなくなっています。
「8月に入って間もなくの土曜日か日曜日に来てくれ」
「お盆は皆が一緒に休みを取るので、なかなか休みづらい。自分はお盆の前に先立って休みを取るから、その日にお盆をやりたい」
なかには、
「8月は暑くてたまらないから、7月にしてくれ」
という人もいらっしゃいます。
勤め先によって、お盆期間が休みのところもあれば、そうでないところもあります。
ですから、現代的にちょっと日をずらしてもよいと思います。

「この日がうちのお盆だ」と決め、家族皆で一緒にお坊さんを迎えてお経を読んでもらう。
そういう形でお盆の行事をちゃんとつつがなくやろうという人は、
「今年のお盆は○日にするから、和尚さんその日に来てくれ」
と、6月末頃にはもう連絡してきます。
 

——引き続き来週も、お盆の話をします。
 

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