円覚寺 塔頭 雲頂菴

菴主の話

雲頂菴という寺を守る住職として、日々考えていることをお話していきます。

お盆の供養

お盆の供養は、家族の絆を確認する上でも、貴重な時間じゃないかなと思っています。

地方によっては、農繁期を避け、少し遅くやるところもあるようです。
刈り取り前、あるいは刈り取りのすんだ時期。
とにかく、農作業が一段落している時に行なうみたいです。

ほとんど休みが無かった昔から、お正月とお盆だけは休みをもらえました。
だから、祖先の魂を迎えるお盆の3日間は、日頃は仕事で忙しい者も、外に働きに出ている者も皆、家に集まる習慣がありました。

「祖先や家族が帰って来るお盆の時期、ちゃんとお坊さんに来てもらって、お経を読んでもらいたい」
そういうことを、父の郷里のおばたちがよく言っていました。

しかし、お盆本来の意味合いが薄れ、「夏の風物詩」というふうになってきている今、私の寺でも、お盆にうかがうっていうお宅は、どちらかというと減少傾向です。
「お盆の時はもう忙しくて無理だから、うちは止めにしてくれ」という方も多くなっています。

一方で、私が自宅へお経を上げに行く機会を上手に活かしているご家庭もあります。
「お坊さんが来るから、皆集まりなさい」
と、普段はバラバラな家族に声をかけ、当日は皆で仏壇に手を合わせる。
仏教とお盆とお坊さんを利用して……っていうと変だけど、家族の一体性を保つのに、うまく使っていらっしゃると思います。

また、あるお宅では、長男や次男の嫁さんにもわざわざ来るように言って、
「それぞれの実家とは風習が違うかもしれないけれども、うちではこうやるんだ」
と、自分の家のスタイルをちゃんと継承し、伝えていく場になさっている。

そういう点からも、「お盆の供養」をすることは、すごく意味があると私は思っています。
 

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